<この記事を書いた人>
. お名前:みらんだ
. お住まい:岡山
. 性別:女性
. 年齢:42
簡単でとっても儲かるいい話に飛びついた私
大学生の頃、田舎から上京していた私は親の仕送りもほとんどもらわず、勉強だけに頑張っていくつもりでした。
ですが、周囲にはブランド品で身を固めた女の子がいっぱいいていつしか密かにあこがれを抱くようになりました。
でも買いたくても買えないし、変なバイトもしたくない。
手っ取り早く稼げる方法はないかと友人にもそんな話をしていました。
すると、友達の友達、みたいなところから、
空気清浄機や低周波の出る布団などを扱っている会社が人員を募集していて、
とても簡単で高収入だというのでとりあえずセミナーへ行く事にしました。
いかにも成功者的な、高そうなスーツに身を包んだ講演者が、これまでの人生について語ったり、今は成功していてとても楽しく、
みんなにもその幸せを分けてあげたいような話をしていました。
そして、会場には少ない参加者でしたが、講演者と同じようなギラギラした目の若い男性が私についてくれ、
夢や願望についてあれこれ聞かれ、紙に書いたりさせられました。
そのうち私もこの人のようなビジネスオーナーになって、働かなくても収入が得られるようになるんだという気持ちになっていきました。
お金のためなら悪魔になれますか?友人を踏み台にして金儲け?!
その日のうちに、高額な健康にいいとされる布団と、空気清浄機を契約しました。
お金はなけなしの貯金と、足りない分はクレジットで分割にしました。
とてもよい商品だと伝えれば自然に人は動くとセミナーで教わったとおり、数人の友人に紹介しましたが、
正直返ってきた反応は「ばっかじゃないの?」「大丈夫?」「それ騙されてるよ」といったものでした。
セミナーから半月くらいたっても一向に売れないので説明員の人に相談しましたが、
それはあなたの情熱が足りない。
いいものを人に分けてあげたいという気持ちが足りないと怒られました。
それでもう一度友人たちに話してみましたが、ついには電話にも出てもらえなくなってしまいました。
一人、とても心配してくれた友人がいて、会って話を聞いてくれました。
「私の情熱はよくわかったけど、多分それは騙されている。」と悲しそうに言われました。
でもまだ反発していた私は「そんな事はない!○○ちゃんも使ってくれればわかるから!」というと、
「わかった。じゃ、その30万の布団、あなたのために私が買うから。
でも買ったらもう二度と会わないから。」と言われました。
それを聞いた時に涙があふれてきました。
それまでも実はうすうす気が付いていたんです。
これはマルチ商法で、誰かを踏み台にしないと這いあがれないシステムだっていうこと。
私は友人を踏み台にしてお金を手に入れようとしていたことに、この友人の言葉で我に返りました。
お金のためには悪魔にならないといけないのか、と私にはそこまでできないと思いました。
・お金は簡単には手に入らないけど必要な額は与えられる
それからはバイトしながら出来てしまった借金を完済、仕方なく在庫の布団や空気清浄機は自分で使っています。
低周波治療器のついた布団ということですが、その機能は一度も使った事はありません。
空気清浄機も普通に売っているものとなんら変わりないもののようです。
たくさんいたように思っていた友人も私の周りからは減っていき、周囲ではあいつは金に汚いと噂もされました。
最後に厳しい助言をくれた友人とだけは今でも仲良くたまに旅行に行ったりしています。
大学卒業後も一般企業に就職し、特に給料がずば抜けているわけでもありませんが、堅実に貯金をしたり、
生活に必要なお金はもらえるようになっています。
今思えば学生の身分の私に高価なブランド品は必要なかったわけだし、お金はその人に必要な額が与えられるようになっているんだなと思いました。